音大卒業後の就職先事情を紹介!就職、進学、演奏家、音大卒業生の実際のところ

音大卒業後の就職先事情を紹介!就職、進学、演奏家、音大卒業生の実際のところ

音大への入学を考えている人にとって、卒業後にどのような就職先があるのかという点は、非常に気になるトピックです。卒業後は演奏家になったり、音楽の先生になったり、音楽に関した仕事に従事するイメージが強くありますが、一般企業に就職する学生も多いです。

音大生の卒業後の就職事情は、実際の所どうなのでしょうか。各音大の就職状況なども見ながら、卒業後の見通しを考えていきましょう。

音大を卒業後に就職する人が少ない、という話は本当?

一般大学と比較すると、音大を卒業後に、就職する人は少ないという通説があります。これは卒業後に全体の半分くらいが就職して、その他は音楽活動に従事したり、進学したり、留学したりするからです。

私自身は、音楽の先生になりたくて音大に進んだので、進路について大きく悩んだというわけではありませんでした。ただ、演奏家として生計を立てていくことが出来ないことに対して、何となく後ろめたさのようなものもありましたし、周りも見てても会社員になることに対して、前向きに捉えられない友達もいました。

一部の学生は、演奏家として音楽を続けていけないことに、ポジティブなイメージを持てていません。社会人になることに少しナーバスになってしまう人もいて、大手の音楽教室の先生になったり、楽器屋さんに勤めたり、留学する人がいたり、それぞれ悩みながらも自分の道を選択していったように思います。

音大を卒業後には、やっぱり演奏家を目指すべきなのか

音大を卒業後には、やっぱり演奏家を目指すべきなのか
音大を卒業したからと言って、全員が演奏家になるわけではありません。音大には、演奏家コースや器楽、声楽コースなど、演奏家として独立するために必要なスキルを学ぶコースがあります。その一方で教職課程を取ることも出来ますし、音楽教育や、学問としての音楽学を追及することに特化したコースなどもあります。

卒業後に演奏家として生計を立てていくのは狭き門であって、限られた人達だけが進める道であることは確かで、音大を卒業後、一般企業に就職する人が多いというのも事実です。

ただ皆、何かしら音楽と関係のある職を探して、就職活動を頑張っていきます。

音大を卒業後に就職する人は半分くらい

音大を卒業すると半分くらいの人が就職します。一般大学の経済学部や経営学部が7~9割の就職率であるのと比較すると、音楽大学の就職率は若干少なめです。しかし、これは音大生の就業意欲が低いかというと、そういうわけではないのです。

就職しない卒業生は、進学したり留学したり、また音楽家としての道を歩んでいく人が含まれているからです。

私の場合は音楽教室の先生を勤めて、生徒さんを教えながらも、地域のコンクールに参加したりもしていました。ずば抜けた功績を残したと語れるほどではありませんが、小さな賞をもらったりもしています。

各音大の就職先を見て、比較してみよう

各音大の就職先を見て、比較してみよう
下の各ページを見ると、各音楽大学が公開している卒業後の進路を見ることが出来ます。

 ・東京藝術大学 卒業生の進路(過去5年)
 ・東京音楽大学 卒業生の進路
 ・国立音楽大学 卒業後の進路
 ・上野学園大学  卒業生就職先データ
 ・武蔵野音楽大学 卒業後の進路
 ・洗足学園音楽大学 卒業後進路一覧
 ・昭和音楽大学 卒業後の進路
 ・桐朋学園大学の進路・就職
 ・東邦音楽大学のキャリア支援(卒業後の主な進路)

私は上野学園大学を卒業したのですが、都内の中では就職率が高い方で、2015年で58.7%、2019年で53.9%です。私立の場合、学校側が一般大学と進路選択が違うということをわきまえていて、キャリア教育に力を注いでいることが多いです。

東京芸術大学は、著名な教員に指導してもらえる環境があり、卒業生もたくさん活躍している一方で、就職率が10%~20%台だったりと極端に低いです。これは卒業後に進学や留学したり、そのまま音楽家として活動する人が多いことが要因として考えられるのです。音楽大学の場合には、安定した大企業に就職すれば良い、演奏家として独立するのが良い、と一口に言いづらい部分があります。

各大学の就職事情が見えてきたところで、それぞれの就職先、進路をもう少し詳しく見ていきましょう。

音大卒業後、演奏活動をスタートする

音大卒業後、演奏活動をスタートする
一口に演奏活動と言っても、プロオーケストラに所属したり、自衛隊などの音楽隊に入団する人、フリーランスとして活動したり、催事場(結婚式やレストランなど)で演奏する人など、活動形態は様々です。

音大卒業後、すぐに演奏活動を仕事にする人が多くない理由の1つは、実績を積んで軌道に乗るまでが大変だからです。そのため講師としての活動を持ちながら、演奏活動を並行している人もいます。

ただし実績を積んで、公的な団体による助成金などを取得したり、受賞歴が伴ってくれば、収入を安定させながらプロとしての活動に集中することも夢ではありません。

参考 : 演奏家への支援|公益社団法人 日本演奏連盟

音楽教員、音楽教室の講師へ就職する

音大卒業後、音楽教員、音楽教室の講師へ就職する
在学中に教員免許を取得していたり、音楽教育に関するコースに進んだ学生は、音楽を教える仕事に就きます。音大卒業後に音楽教室や学校の先生になるという道も、人気のある選択肢です。ただし、誰でも先生になれるというわけではないため、音楽を教える仕事に就きたいと考え出したら、早めに目標・計画作りをしましょう。

公務員として学校で音楽の先生になりたい場合は、募集が少ないため普段からしっかり情報収集をしておく必要があります。 また音楽教室の講師などは、技術と経験が問われますので、出来れば1年生の時から、キャリア支援センターなどで相談しておくとベストです。卒業後の進路がよりクリアに具体的になって、アクションを起こせるようになります。

母校の例ですが、教員や音楽教室など、音楽を教えることに関連する仕事に就いたのは、2020年の場合で全体の28%でした。

民間企業も、音大卒業後の就職先として多い選択

民間企業も、音大卒業後の就職先として多い選択
音大卒業後に多くの人は民間企業などで、組織に属して仕事に従事します。芸大を卒業した学生が、全員芸術家になるわけではなく、法学部を卒業した学生が全員弁護士になるわけではないのです。私の大学では一般企業にい就職したのは全体の22%でした。

音楽と直接的に関係のない事務職などに進む人もいますが、多くの学生は、何かしら音楽に関わりのある企業に進もうと努力します。

最近ではミュジキャリなど、音大生に向けの就活支援サービスなども登場してきているため、ひと昔前のように「卒業後に音楽に関わる仕事に就くのは難しいから、取り合えず一般企業に勤める」という状況とは、少し違ってきています。

音楽と直接関わらない仕事に就職する場合にも、音大生だからといって、不利になることはありません。音大生は普段から、楽器の練習や、レッスンで訓練や努力を重ねているため、忍耐力を備えています。また目上の人との接し方や礼儀、自分が知らないことを調査する習慣が身についています。

面接でも、採用担当者にしっかりした印象を与える事が多いのです。音大生が当たり前として身に着けている習慣が、社会人の基礎力として力を発揮するのです。

就職せずに進学・留学する場合

音大卒業後に、就職せずに進学・留学する場合
一般大学でも大学院へ進学する学生がいますが、 音大の場合も専門性を高めるために、院へ進む学生がいます。演奏家として、研究者として音楽の理論と実践を追求していきます。

学部卒業後に進学や留学を考えている人の多くは、音楽の道を究めていくことに、相応の覚悟を持っています。

ただし、博士課程へ進んだり留学した人の中でも、卒業後に一般企業に就職する人もいないわけではありません。音楽一筋で生きていくことが本人にとって必ずしも最良でないこともあるのです。

音大卒業後の進路・就職先選びは「長い目で幅広く」捉えよう

音大卒業後の進路・就職先選びは「長い目で幅広く」捉えると良い
音楽大学入学後の進路・就職先選びは、長期的な視野で幅広く将来を見据えながら、その時々で自分がベストだと思う道を選択していきましょう。

入学後、短期・長期の目標 計画を持つと良い

自分の進路選択に取り組む上でおすすめしたいのが、短期、長期の目標、計画を持つことです。在学中、卒業後までに、これだけの演奏会をこなそうとか、卒業後に音楽を教える仕事に就きたいから、今これをしておこうとか、目標を持って取り組んでいくことで、限られた時間を有意義なものとして過ごすことが出来ます。

もちろん計画に縛られすぎる必要はありません。1年ごと、3年ごとぐらいで、大まかに短期の目標、長期の目標を立てて、計画性を持って過ごすだけで、将来に対して前向きな考え方になります。

あとはその時々に目の前の自分の課題に取り組んで道を選択していくことで、今の自分の等身大の姿が見えて、どうすれば目標を叶えることが出来るか、具体的な方法も見えてきます。

音大卒業後の進路は「道を絞り込み過ぎないこと」も大切

入学後、短期・長期の目標 計画を持つと良い
演奏家になりたくて「私には、この道しかないんだ」と自分を追い込むことが必要な時期もあります。しかし自分にプレッシャーを与え続けることで、音楽を続けることが重荷となってしまって、意欲を無くしてしまう人も見てきました。

本当は演奏家として生計を立てたいけれど、今は実績とノウハウがないから、一度は社会人として十分な経験を積んで視野を広げるためにも一般企業に就職してみる、このような選択も決して間違いではありません。社会の荒波を存分に経験してから、博士課程や留学を再考する人もいます。

学生の間と卒業後しばらくの期間は、とにかく色々な経験を積むことが必要です。どこかで音楽の仕事に携わることを考えながら、自分の将来の糧になりそうなことに、どんどんチャレンジしていきましょう。

音楽を取り巻く環境の変化に敏感になろう

音楽を取り巻く環境の変化に敏感になろう
上で取り上げたミュジキャリも含め、インターネット環境の変化によって、音大生を取り巻く環境が刻々と変わり始めています。入試のために通う音楽教室は、既にオンラインでのレッスンが導入されていますし、演奏家として活動する人達の中には、Youtube配信を行う人が増えてきました。

インタ―ネットの仕組みをうまく活用することで、自分の活動を多くの人に知ってもらう機会に恵まれます。このような環境の変化によって、音楽活動へコミットすることの敷居が低くなりました。

従来のような演奏家としての活動を続けていれば安泰というわけでもなく、企業に属していれば音楽との関りが薄れてしまうかというと、そう単純でもなく、これまでとは違った社会と音楽との関わり方を見つけ出す可能性に溢れています。

またJAMCAなど、SNSを利用した音大生同士のコミュニティなども登場してきました。ネットを通じた繋がり作りに参加することで、自分の音楽の活動の幅を広げたり、成長するチャンスを作ることができます。

自分の音楽の経験を深められる機会を見つけたら、学生のうちに積極的にアクションを起こしてみましょう。

まとめ|音大卒業後の就職先・進路選択は、長い目で見つつ行動を刻むことが重要

音楽大学に進学することで、音楽に関わる仕事にたくさんのチャンスに恵まれる、という大きなメリットを得られます。もちろん学生生活は楽しいことばかりではなく、自分の実力と直面することになり、将来に向けて現実的な選択を迫られる期間でもあります。

卒業後に少しでも自分が望んだ仕事につけるように、将来に向けた計画作りと情報収集を欠かさないようにしましょう。

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