音大入試のためのピアノ レベルはどれくらい必要?

音大へ入学しようと考えた時に誰もが「どのくらいピアノの演奏ができれば、入れるのだろうか」という疑問に突き当たります。音大のランキングなどを見れば、ある程度のレベルが把握できますが、もっと具体的に、どのような準備が必要なのか、どのようなことに留意して、入試に臨めば良いのかなど、ポイントを見ていきましょう。

音大に入るために、ピアノのレベルはどのくらい求められるのか?

音大の受験対策にあたっては「この対策をすれば必ず受かる」といったような方法があるわけではなく、志望校に合わせた準備をしておきましょう。

演奏家コースや器楽コースのピアノ専門に限らず、ピアノの試験対策は必要です。自分の進みたいコースに合わせて、過去問や課題曲を調べながら、対策を考えていく方が確実です。

大学の偏差値、入試に必要なピアノのレベルをどのように見極めていくか

大学の偏差値、入試に必要なピアノのレベルをどのように見極めていくか

自分が進みたい音大を選ぶ時には、一般大学の入試とは異なり、偏差値以外で語れない要素が非常に多いです。

極端な話ですが、一般科目で合格ラインの点数が狙えそうになかったとしても、突出した演奏技能で実績を積み重ねていれば、特待生として入学することも可能なのです。

ただレベルの高い大学を目指せば良いだけではなく、入学後にどのような生活を送っていたいのか、卒業後にどのような進路を目指したいのか、ということが非常に重要です。音楽に携わる道を歩んでいくうえで「出会い」は非常に重要です。

 

学校名 偏差値 課題曲が確認できるページ
東京芸大(国立) 57 募集要項│東京藝術大学入試情報サイト
東京音楽大学(私立) 40 2020年度 入学試験科目と課題曲_sk.indd
国立音楽大学(私立) 35 入試要項・大学案内・願書の請求方法(音楽学部)[国立音楽大学)
上野学園大学(私立) 42 学部入試 : 上野学園大学 東京・上野の音楽大学
武蔵野音楽大学(私立) 37 入学試験過去問題集 | 武蔵野音楽大学
洗足学園大学(私立) 44
昭和音楽大学(私立) 35 入試課題|昭和音楽大学
桐朋学園大学(私立) 47 入試要項の請求および閲覧
東邦音楽大学(私立) 41 入学者選抜情報 | 東邦音楽大学

偏差値や入試の過去問などで、どのような技能・知識が必要かを測りながら、それぞれの大学で、どのようなことを学べるのか、自分が学びたいことをマッチしているか、どのような実績を持った教員が教えてくれるのかを調べて、進みたい大学を決めていくのです。

東京都内の場合、一般的には東京芸大が難易度が高いですが、各音大の課題曲などは、それぞれ異なるので「このあたりの大学なら入学できそうかな」という程度が見えてきたら、各大学の入試傾向に合わせた対策をしていきましょう。

入試対策に、各音大のピアノのレベルを把握しよう

「この大学に入りたいな」という希望が固まり始めたら、早いうちに過去問を把握したり、オープンキャンパスで体験授業、講習会に参加して、入学に必要なピアノの演奏レベルが、どの程度のものか把握するようにしましょう。

上の表から、各大学のページに進むと、課題曲についての情報を見ることが出来ます。

入試対策に、各音大のピアノのレベルを把握しよう

各大学の実技の入試課題を比較すると、学校によって曲の数や演奏時間に違いがあることが分かります。課題の曲数が多くて、曲の難易度が高ければ高いほど、学校が求めているレベルも高いのです。

国公立や私立の特待生入試や選抜コースなどが最も高いレベルが求められ、次に各学校の演奏家コースのピアノ専門、次に器楽コースのピアノ専門、そして副科ピアノで作曲・指揮・楽理などの科や声楽、管弦楽が並んでいくことになります。

ピアノ科以外の科は、どのくらいのレベルが必要?

ピアノ科以外の科は、どのくらいのレベルが必要?

声楽や弦楽器、管楽器など、ピアノ科以外を受験するにしても、ピアノが弾ける必要があります。そのため、ピアノを習わずに、演奏を習得し始めた人は、この副科ピアノの勉強に苦労する場合が多いです。副科ピアノの課題曲も学校によって、異なりますが、だいたい下の形で出題されることが多いです。

  • ソナチネ〜やさしいソナタ程度
  • ツェルニーの30の練習曲程度
  • バッハのインヴェンション程度
  • ハノンのスケール(No.39)の複数の調

ピアノ科の試験と比べれば、副科ピアノの場合には、演奏技術は求められませんが、作曲科・指揮科・楽理科などの場合には、もう少し上のレベルが求められる場合もあります。

ピアノの演奏が身につくまでは時間が掛かるため、出来るだけ自分の専門以外にも、鍵盤に触れる時間を増やして、音楽教室の先生など、自分を指導してくれる人に早めに相談しておくようにしましょう。

ピアノの試験をクリアするために、何をしたらよいのか

ピアノの試験をクリアするために、何をしたらよいのか

ピアノ専門でも、副科ピアノであっても、試験をクリアするためには、相応の練習が必要です。幼少期から演奏を続けていた場合であれば余裕があるかもしれませんが、高校入学以降に音大への進学を考え始めた人は、時間が限られています。

ポイントを抑えて、合格が近づくよう注力していきましょう。

課題曲を把握して練習に打ち込もう

ピアノ専門の入試の場合には、J.S.バッハの作品の中から1曲、練習曲、古典派のソナタという組み合せが課題とされることが多いです。

上の表から、各音大の過去問を見て、自分が受講したいコースの課題曲をしっかり把握して、練習するようにしましょう。


レッスンの先生に相談しよう

すでに音楽教室に通っていたり、ピアノのレッスンについてくれる先生がいれば、まず音大を志望することを伝えて、相談に乗ってもらうようにしましょう。

音楽教室を利用する時も、音大志望かどうかで、先生側の対応が変わります。教えてくれる先生自身も音大を卒業している場合がほとんどです。自分の希望をしっかり伝えれば、先生も真剣に相談に乗ってくれます。

受験合格には協力者が必要です。先生だけでなく、親にも自分の希望を伝えて、合格に向けて、周りにサポートしてもらえる環境を作りましょう。

音大入試でポイント

音楽大学に見事クリアし、演奏家であったり、音楽の先生となり、活躍している人たちは、幼い頃から音楽に向き合ってきた人たちもいれば、自分の努力によって、結果を出してきた人もいます。

上手に結果を残してきた人たちには、それなりの理由があります。入試に挑むにあたって、留意しておきたいポイントを見ていきましょう。

自分のレベルを底上げしてくれる先生に出会えるかどうか

自分のレベルを底上げしてくれる先生に出会えるかどうか
音大入学後も、入学前も「誰に教わるか」という点は非常に重要なポイントで、できればレッスン中に、「こうやって弾いてみましょう」と、自分でお手本を見せてくれる先生に教わると良いです。

コンクールなどへの出場経験のある先生なら、どういうタッチで弾くと良いのか、どのような響きを出せばよいのか、自分の身でもって教えてくれます。音楽に携わる時に、自分にあった先生に出会うという点が、非常に大切であるのは、これが理由です。

自分が入学する大学を決めたり、音楽教室を決める時には、オープンキャンパスや体験教室に参加したりして、出来るだけ足で情報を収集するようにしましょう。そうすれば、自分にあった環境や、自分と相性の良い先生はどのような人か、ということが段々わかってきます。

信頼できる先生と出会うことが出来れば、自分が壁にぶつかってしまった時にも相談しやすく、上達も早くなります。経験が豊富な先生であれば、真面目に相談すれば、何かしら自分が成長するためのヒントが返ってきます。

入試のための受験対策を進める上でも、まず先生に相談することから始まります。どの大学に入学したいのか相談して、今の自分の演奏を見てもらったり、一般入試科目のレベルを見てもらいましょう。過去問を解いてみた結果を共有したり、等身大の力量を把握してもらって、何がクリアできていて、何が足りないのかを理解してもらうのです。

そうすれば、これからどのような対策をしていけば良いのか一緒に考え、二人三脚で合格まで歩んでいけます。

入試のレベルにとらわれ過ぎないことも必要

入試のレベルにとらわれ過ぎないことも必要
ピアノの演奏技術を問わず、極力、レベルの高い環境で学ぶために、自分の演奏技術を磨くという動機付けは必要で、自分を成長させるきっかけになります。

しかし、その一方で、難易度だけにとらわれ過ぎると、「自分はなぜ、音楽を学びたいのか」という理由を見失ってしまうことがあります。

私自身は、演奏家ではなくて、音楽の先生になりたかったので、演奏技能を高めることも、もちろん重要でしたが、「自分が身に着けた技術を、いかに効果的に、楽しく教えられるか」ということの方が、大切だったように思いますし、自分が音楽を続ける糧でもありました。

音大の入学を考えるうえでは「誰の元で、どのように学びたいか」という点がとても重要です。難易度の高い試験に合格したとしても、師事してもらいたい先生に出会えなければ、自身のモチベーションを維持したり、成長するのが難しくなります。

自分の場合を振り返ってみても「演奏技術の高い先生」よりも「教え方の上手な先生」を自然と見極めていたように思います。

自分に合った環境を選ぶ、という意味でも、音大を目指そうと思い立ったら、オープンキャンパスに参加してみたり、体験教室に行ってみたり、頭を使って考えるよりも、とにかく身体を動かして、情報を集めましょう。その方が、納得した決断が出来ますし「あの時、ああしておけば良かった」という後悔が残ることもなくなります。

入学後と卒業後に何をしたいのか、を見据えておこう

入学後と卒業後に何をしたいのか、を見据えておこう

「ピアノ科」のカリキュラムは、クラシック作品を演奏することに重点が置かれています。一流のピアニストとなるには、国公立の音大を卒業するか、私立で首席で卒業するほどの実績が必要です。

オーケストラと共演する経験を経たり、大学の海外留学制度を利用して、国外での演奏経験を積み重ねたりして、腕に磨きをかけていきます。

自分がピアニストとして活躍したいのか、演奏を教えられる人になりたいのか、また、もっと広く、音楽と社会をつなげるような仕事をしたいのか、卒業後の事を見通しておけば、入学後に何をしたらよいのかが見えてきます。

アフターコロナのピアノ試験についても知っておこう


新型コロナウィルスの影響によって、音大に限らず、大学のあり方が変わり始めています。参加者の密を避けるために、オンラインでのオープンキャンパスを実施する大学が増えてきました。

また、ピアノの試験においてはドイツのフライブルク音楽大学で、ドイツと日本、中国をインターネットでつなぎ、リモートでの試験が実施されました。感染リスクの減少が見込めなければ、今後、音大の入試のあり方も変わる可能性が高いです。

まとめ|音大合格のために、ピアノのレベルを上げられる環境を作ろう

音大への進学を考える上で、大切なことは自分に合った環境を選んで進んでいくことです。

レベルの高い、国公立の難関なコースに進みたいという気持ちは、演奏技能を高めて、自分自身を成長させてくれます。しかし、それよりも大切なことは、自分が将来、音楽を通じて、どのような仕事をしていきたいか、ということです。これについての回答は、千差万別で、誰にでもあてはまる答えが存在していません。

もし「この先生の元で腕を磨きたい」という希望があれば、これが1つの環境選びの指針となります。良い師との出会いは、自分の技能を成長させて、自身を導いてくれます。
進みたい方向性がぼんやりとでも見てきたら、とにかく行動してみて、オープンキャンパスや演奏会などに出向いて、情報収集をしていきましょう。

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